第39回彗星会議 in 仙台 研究発表概要
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- 2008年の彗星発見・観測のまとめ
- 中村 彰正
- 2008年に発見・検出された彗星の発見データと軌道要素を一覧表にまとめ、トピックスを紹介する。また2008年の位置・光度観測のランキングを観測者毎、彗星毎に示し、最近の傾向について概説する。
- 2008年の主な彗星の光度変化
- 吉田 誠一
- 2008年度に観測された主な彗星について、光度変化を振り返る。明るくなった彗星、突発的な変化を見せた彗星、特異な光度変化を見せた彗星などを紹介する。
- ルーリン彗星(C/2007 N3)の核近傍の光度変化[速報]
- 篠田 知則、秋澤 宏樹
- 今年2月24日に地球に最接近したルーリン彗星(C/2007 N3)は、衝の位置(2月26日)に近く、ほぼ一晩中の観測が継続できることが期待された。そこで、核近傍の光度変化の時間的変動を調べることを目的に、連続的な測光観測を計画した。天候には恵まれなかったものの、栃木県佐野市内と兵庫県姫路市の「星の子館」で計3夜の観測による合計139画像をとりまとめて核近傍の開口測光を試みたので、速報として紹介したい。
- 2007年10月27.81〜84UTの17P/Holmesの核近傍の姿とアウトバーストについて
- 秋澤 宏樹
- 姫路市宿泊型児童館「星の子館」の90cm反射望遠鏡カセグレン焦点(f.l.14320mm)に、SBIG社製STL-1001E冷却CCDカメラを取り付け、Johnson-Cousins SystemのB,V,R,I の4色で、バーストによって増光した17P/Holmesを2007年10月27.81〜84UTに撮像した。その画像にローテーショナル・グラディエント処理を行い、核近傍の姿を浮かび上がらせ、考察を加えて読み取ったアウトバーストの状況について報告する。
- シュヴァスマン-ヴァハマン第3彗星の崩壊現象について
- 石黒 正晃、臼井 文彦、猿楽 祐樹、上野 宗孝
- シュヴァスマン-ヴァハマン第3彗星は周期約5年の短周期彗星である。1995年出現時にアウトバーストをおこし数個の分裂核が生じた。2006年に地球に大接近し、分裂核のひとつB核から更に小さな分裂破片が放出される様子が観測された。本研究では、SMOKA(Subaru Mitaka Okayama Kiso Archive)で公開されている2006年5月3日にすばる主焦点カメラによって観測された可視画像と赤外線天文衛星あかりによって得られた赤外線画像を解析することによって、これら分裂破片の特性について調べた。
- 107P/Wilson-Harrington の観測キャンペーン
- 中村 良介
- 107P/Wilson-Harrington は、有名な彗星−小惑星遷移天体である。1949年に数日間だけイオンテールが観測されたが、その後の彗星活動は報告されておらず、その正体は謎に包まれている。また、この天体は JAXA=ESA のサンプルリターンミッション「マルコポーロ」の有力なターゲットのひとつでもある。 2009年後半から2010年にかけて観測好機を迎えるこの天体の、観測キャンペーンについての紹介を行う。
- 周期彗星を楽しむ
- 津村 光則
- 周期彗星は、あまり明るくならない地味な存在です。が、何度も観測していると感慨深いものがあります。私の観測法をご紹介しながら、その魅力をお伝えしたいと思います。
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主催:第39回彗星会議実行委員会
共催:仙台市天文台